首の長~いキリン。この長い首と高い背丈で、木の上に生い茂る葉っぱを独り占めできたり、遠くの敵を一早く発見して身を守ったりすることができます。
それをあてにしてキリンのまわりには多くの草食動物が集まり、キリンが逃げるととりあえず他の動物も逃げ出す!といった光景もよく見られます。
By Hans Hillewaert [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commonsそんな首長キリンですが、
頚椎(首の骨)の数は人間や他の動物と同じで7つというのは先日書いた通りです。
そして実は、この首の進化の過程がよくわかっていないんです。
By Hiuppo [GFDL], via Wikimedia Commonsこちらは「シバテリウム」という今は絶滅してしまった動物で、キリンの祖先と考えられています。
化石から想像された模型で、2m前後と背は高めのようですが、ウマのような体系で首は特に長くありませんね。
ところが、シバテリウムとキリンとの中間ともいえる、「首が長くなる途中」の種の化石が見つからないのです。
また、シバテリウムの時代からキリンが出現するまでに200万年程度しかなく、他の動物の進化のスピードから考えると、キリンの首がここまで伸びるにはあまりにも短すぎます。
「長い時間をかけて少しずつ進化をする」というダーウィンの進化論では説明がつかない部分が多いようです。

では、もし突然変異やウイルス等によって、ある時急にキリンの首が伸びたと考えるのはどうでしょうか?
ちょっと考えにくいですが、45億年の地球史上、たまにはそういうこともあるかもしれません。
ただ、首が長いというのは実は身体にとって大きな負担がかかります。2mも上にある脳まで血液を送る強い心肺がなければ、急に首だけ長くなったキリンはすぐに死んでしまうのです。
したがって、突然変異というわけでもなさそうです。
By Esther Dyson [CC BY-NC 2.0], via flickrそしてもう一つ、とても奇妙なことがあります。
首が長いと、頭の上下で血圧が急激に変化し脳溢血を起こしてしまいます。それを防ぐため、
キリンには、脳を守るワンダーネットという特殊な構造を頭部に持っているのですが、なぜかこのワンダーネットを、首の長くならなかったキリンのなかま、オカピも持っているんです。
つまり、「首が伸びる前から、首が伸びた時に備えた身体を作っていた」、ということです。

動物は、あらかじめ決められた「最終形」に向かって進化するようプログラムされているのでしょうか??
いつかの未来は、オカピの首も長くなっているのでしょうか? そのために、今は不要なワンダーネットを持っているのでしょうか?
現代の科学では説明ができない、進化のミステリーですね。
早く解明されてほしいです!!(>_<)

ちなみにキリンは特定動物に指定されており、届け出を出せばペットにすることができるそうです。
お金持ちの方、この進化の謎を解くために飼育してみてはどうでしょうか? (笑)
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