煽られているのは人間の方だった
動物愛護の観点からか、近年本場のスペインでも衰退しつつある闘牛。
興奮作用のある赤色をしたマントをヒラヒラさせて、闘牛士がウシを挑発してあおります。

でも実は、ウシは赤い色を識別できません。
多くの哺乳類は、人間よりも少ない数の色しか見えていないのです。

ウシは赤い色を識別できない
By Lepetitlord [CC BY-SA 3.0], via wikimedia commons

というのも、はるか昔、哺乳類が誕生した時代の大地は、今は絶滅してしまった大型の爬虫類や鳥類が繁栄していました。
哺乳類は彼らを避けるように夜行性になり、進化の過程で色覚を退化させてしまったのです。

明るい太陽の下で進化した爬虫類や鳥類は、人間の見えている赤、青、緑の3つに加えて4つ目の「紫外線」が見えているらしいのですが、ウシを含む多くの哺乳類は、そのうちの2つしか見えていません。


話を元に戻して。。。
それでは闘牛士はなぜ、わざわざウシには見えない赤色のマントを使うのでしょうか。

それは、闘牛を見に来た観客――つまり私たち人間の興奮をあおっていたのでした!
赤色に興奮していたのは、ウシではなくて人間の方だったんですね。(^-^;)




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