パンダには指が7本もあった
大好物の竹を上手につかんで食べるジャイアントパンダ。
以前、パンダは偽の親指、第6の指を使って竹をつかむという記事を書きました。

普通のクマのなかまは5本の指がすべて横一直線にならんでおり、人間のように親指とその他の指を向かい合わせることができないため、ものを「つかむ」という動作ができません。

そんなクマのなかまでありながら、パンダは竹をつかむのに適した、5本の指に加えて人間の親指の位置に6本目の指が発達しました!

パンダ
By lacitadelle [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

ところが最近の研究で、この6本目の指にあたる骨は、人間の親指のようには自由に動かすことができないことがわかりました。

では動かない6本目の指でどのように器用に竹をつかんでいるのかというと、パンダはなんと、「第7の指」まで隠し持っていたのです!
それがこちら!!

パンダの副手根骨
By Momotarou2012 [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

たしかに指らしき骨が7本もあります。
でも多すぎて、なにがなんだかよくわかりません!

それではパンダが笹をつかむ様子を見てみましょう。

パンダの第7の指
By Travis S. [CC BY-NC 2.0], via flickr

まず真ん中に通常の5本の指が並んでいます。
向かって左側のちょうど親指の位置にあるのが橈側種子骨(トウソクシュコツ)、つまり第6の指。
そして向かって右側の小指のさらに外側にあるのが、副手根骨(フクシュコンコツ)、つまり第7の指なんです。

この2つの骨で支えることで、パンダは大好きな竹をしっかりとつかむことができるのでした!


可愛いパンダ、指が7本もあったなんてびっくりしました!!

パンダ
By justjess17 [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr




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ゾウは足の裏で音を聞く
ゾウ
By godutchbaby [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

ながーい鼻と並んで、ゾウの特徴である大きな耳。
この耳は遠くの音をよく聞くため・・・にあるのではありません。

ゾウ
By Kim TD [CC BY-NC-SA 2.0], via flickr

見えるでしょうか、耳の表面に太い血管がたくさんかよっています。
実はゾウの大きな耳は、耳を動かしてパタパタと風に当てることによって、血管を流れる血液を冷まして体温の調節を行っているのです。


でも、ゾウの耳がいいのは本当です!

ゾウは人間の私たちには聞こえない20Hz以下の低周波、つまり聞こえないくらいとても低い声でコミュニケーションをとっています。
この低い音で、なんと10kmも先にいる他のゾウと会話することができるのです。

また、地面の振動を足の裏で受け取り、骨を伝って耳で感じるというスゴ技も持っています!!
この能力によって、足踏みで何kmも離れた遠くのゾウとコミュニケーションをとったり、30~40kmも離れた土地の雨や雷を知ったりすることがわかってきました。

ゾウ
By _Mrs_B [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

あの大きな被害を出した2004年のスマトラ沖地震のときも、この優れた聴力のおかげで津波の出す低周波を感知し、津波が陸地に届く1時間も前に避難して1頭の被害も出さなかったそうです。

ゾウって、やっぱりすごい!




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ゾウの墓場は本当にあるの?
陸上で生活する哺乳類の中で、もっとも身体の大きいゾウ。
最年長のメスをリーダーとした、血縁関係のある女系の家族で群れを作って暮らします。

たとえライオンやトラと言えど、体高4m、体重10tにも迫る大人のゾウを襲うことはまずありませんが、小さい子供のゾウは別。
だから、大人のゾウたちはいつも子供を中央に囲んで守るように移動します。

そうして身体をはって敵から子供を守ったり、母親の育児を助けたり、ゾウたちはとても強い絆で結ばれています。


ゾウ
By Nick-Carson [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr



ちなみにゾウは人間と違って、生涯を通じて身体の成長が続きます。
ゾウの寿命は自然界では60年ほどと考えられていますが、30歳の元気なゾウより60歳のお年寄りのゾウが大きいのです!


ところで、「ゾウの墓場」って聞いたことがありますか?
サバンナのどこかにあるという、無数の骨と牙が散らばる薄暗いゾウの墓場。
自身の死期を悟ったゾウは人知れず群れを去って墓場に向かい、他のゾウに死に際を見せないと言われています。


ゾウの墓場
By bobosh_t [CC BY-SA 2.0], via flickr


でも、これは都市伝説のたぐいです。
おそらくゾウの死体があまり人目につかないので、そういう話が広まったのでしょう。

ゾウに限った話ではありませんが、自然界では動物の死体はあっという間に、ハイエナやハゲタカなど、掃除屋とも呼ばれる動物たちの餌となります。
最後は骨まで残さず分解されて、命が受け継がれていきます。


ゾウ
By kibuyu [CC BY-NC-SA 2.0], via flickr


ゾウの墓場は存在しませんが、死にまつわるゾウのある特別な行動が多数目撃されています。

それは、ゾウがなかまの死に面したとき、まるでお葬式のような行動をとるところです。

なかまの亡骸を鼻でなで、土や枝をかけたり、名残惜しむようにいつまでもその場に留まったりするというのです。


ゾウのお葬式
By Simone Dall'Angelo [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr


その行動の真意についてはまだ解明されたわけではないようですが、知能が高く、家族の絆の固いゾウは、死を理解して悲しんでいるのではないかと考えられています。




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オカピが進化して意外な動物になりました
どこのどなたが決めたのか知りませんが、世界三大珍獣と言えば、ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバ。

今回はそのうちのひとつ、珍獣オカピについてです!


オカピ
By Raul654 [GFDL], via Wikimedia Commons

「オカピ」とは、現地の人の言葉で「森のウマ」。
ウマと言いつつ、ロバのような頭にシマウマのようなおしりです。
ビロードのような毛並みがとてもきれいで、足のしま模様が美しいことから、「森の貴婦人」とも呼ばれています。

大人しく臆病な性格で、ずっと森の奥に隠れていたため、1901年になってようやく発見された動物です。
そのシマシマ模様から、当初はシマウマのなかまだと思われていました。


オカピ
By Derek Keats [CC BY-SA 2.0], via flickr

でも、実はオカピはシマウマのなかまではありませんでした。
ロバでもウマでもありません。もちろん貴婦人でもありません!

ではなんのなかまなのかというと。。。


オカピ
By OZinOH [CC BY-NC 2.0], via flickr

ヒント1:ヒヅメが中央で2つに分かれている。
シマウマのヒヅメは分かれていないので、違うなかまだとわかりました。


オカピ
By and the moon rose [CC BY-NC-SA 2.0], via flickr

ヒント2:頭にツノがある。
オスだけですが、軟骨を皮膚で覆ったツノを持っています。
この狭くて長い顔の輪郭も似ています。


オカピ
By brick1083 [CC BY-NC 2.0], via flickr

ヒント3:長いくて青黒い舌を持つ。
この長ーい舌は40cmもあり、なんと耳まで届きます。
この舌で食べ物を絡めとったり、毛づくろいをしたりします。

この青くて長い舌。。。どこかで見たことありませんか?


キリン


そう、キリンです!


実はオカピ、発見されたのは20世紀のあたまととても最近ですが、1千万年前から同じ姿で森の中にひっそりと暮らしており、そのうちの一部がサバンナに出てキリンに進化しました。

つまり、オカピはキリンの祖先なのです!!

それにしても、1千万年前から同じ姿だなんて。。。
珍獣、生きた化石と呼ばれるわけですね。


オカピからこんなに首が伸びてしまったキリンにもびっくりですけどね!




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