動きすぎると死んでしまうコアラ
オーストラリアの原住民アボリジニの言葉で「水を飲まない」と名づけられたコアラ。

というのも、彼らの唯一の食料であるユーカリの葉は非常に水分を多く含む植物なので、直接水を飲まなくても必要な水分を摂取できてしまうのです。

ユーカリの葉
By Stan Shebs [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

ところがこのユーカリ。
コアラ以外は誰も食べられない、有毒かつ非常に栄養価の低い植物です。

そのせいで、コアラは十分に食事をしているにも関わらず、エネルギー不足で死んでしまうことがあります。
食事から摂取したエネルギー以上にエネルギーを消費して死んでしまうこの病気は、消耗病と呼ばれます。

だから、コアラは1日20時間も眠って過ごします。
そうして省エネに努めているのです!

コアラ
By Eye - the world through my I [CC BY-NC-SA 2.0], via Flickr

省エネって、なんだかナマケモノみたいですね。
でもナマケモノと違って、コアラは地面に降りると意外なほどすばやく動きます。
その速さ、およそ時速40kmにもなるそうです。



本当ですね~猛ダッシュ!


ちなみに1日のうち20時間は眠っているとして、残りの4時間は何をしているかというと、エネルギー摂取のためにひたすらお食事しています。

うーん。のんびりしているように見えて、なかなか過酷な暮らしなんですね。
大変そうだ。。。(^-^;)

コアラ
By Benjamint444 [GFDL], via Wikimedia Commons




[参考文献等]






コアラは下向き、カンガルーは上向き
コアラは下向き、カンガルーは上向き。
なんのことだかわかりますか?

正解は、袋の向き、でしたー!

コアラもカンガルーも同じ有袋類ですが、袋の向きが違います。

カンガルーの袋は上向きなので、お母さんがジャンプしても、子供が外に転がり落ちるようなことがありません。

ウォンバットというこれまた別の有袋類は、穴にもぐる時に土が入らないように下向き(後ろ向き)の袋です。

そしてコアラもウォンバットと同じく下向きです。

コアラ

コアラはみなさまご存知のとおり、有毒のユーカリの葉を食べる生き物です。
腸内にユーカリの毒を分解するためのバクテリアがいるので、他の動物には食べることができないユーカリの葉を、ひとりじめすることができるのです。

このバクテリアですが、どうやら生まれ持っているものではないようで、母親が腸内でユーカリを半分消化したもの(パップ)を離乳食として子供に与えることで、子供はバクテリアを得ることができます。
そして子供は生涯、お母さんが食べたものと同じ種類のユーカリを食べて生きます。

つまり、袋が下向きについているので、子供は母親の袋から頭だけ出して、お母さんのおしりからパップを食べることができるのですね。

ちなみに有袋類の袋は、おっぱいのまわりにできた「しわ」が発達したものだそうです。




[参考文献等]