モグラはミミズを仮死状態にして貯蔵する
なにやら物騒なタイトルですが、今回はモグラの話です。
モグラに関する2つのデマと、驚きの真実をお伝えします!

モグラ
By Alex McLachlan [CC BY-NC 2.0], via flickr

よくネット上で「モグラの土を掘るスピードはカタツムリより遅い」と聞きますが、どうもあれはデマのようです。もちろん土の硬さにもよりますが、モグラは1分間で30cm程度土の中を掘り進みます。でもカタツムリは1分あっても10cm程度しか進まないので、やっぱりモグラの方がだいぶ早そうですね。

とはいえ、いくらカタツムリより早くても、1分間で30cmしか進まないなんて、どんなに短いトンネルに住んでいるのか心配になりますよね。でも、彼らは一から自分の巣穴を掘るわけではなく、すでにある巣穴を受け継いで生活しています。たまに修復や増改築をする程度で、なにも、毎日ひたすら新しい穴を掘り進んでいるわけではないようです。

モグラ
By Serena [CC BY-SA 2.0], via flickr


もう1つ、「モグラは日光を浴びると死ぬ」という噂もありますが、こちらもデマのようです。モグラは汗腺が発達していないため体温調節が苦手で、日光に当たり続けると身体が熱くなって死んでしまいますが、日光を浴びただけで死んでしまうわけではありません。人間が目にする、地上で死んでいるモグラの多くは、縄張り争いにより巣穴から追い出されて、餓死してしまったものなのです。

実はモグラ、何も食べないとたった12時間で餓死してしまうほどの食いしん坊! 彼らは非常に大食らいで、なんと一日に自分の体重とほぼ同じだけの食料を必要とするのです。人間の大人で言ったら、一日に50kg近くも食べていることになります。す、すごい!

そんな大食いのモグラは冬に備えて、エサとなる虫にかみつき仮死状態にして巣穴に貯蔵するという、ちょっと恐ろしい一面も持っています。
唾液に麻酔成分が含まれるため、生きたままミミズや虫の幼虫を冬の間のエサとして保管しておけるのです。ヒ、ヒエー。。。、

モグラ塚
By Roger Bunting [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

ちなみにこちらはモグラ塚と言って、モグラがトンネルを掘ることで地表に押し出した土の山です。ゴルフ場や農家の方は大迷惑しているかと思いますが、そんなモグラは、北半球にしかいないらしいですよ!




[参考文献等]






カピバラの♂♀の見分け方
世界で一番小さいネズミ、そして世界で一番小さい哺乳類でもある動物は、
トウキョウトガリネズミ (※東京にはいない) 」だという記事を先日書きましたが、
今日は世界で一番大きいげっ歯類、「カピバラ」の話です。

ちょっとマヌケなとぼけた顔立ち、短い手足とゆっくりした動きで、見ているだけで和んでしまう、人気の癒し系動物ですね。
そんなカピバラの性別の見分け方を、みなさんはご存知ですか?

ヒント1:こちらのカピバラ2匹をご覧ください。

カピバラ
By Massachusetts Office of Travel & Tourism [CC BY-ND 2.0], via flicr

ヒント2:どっちかがオスで、どっちかがメスです。

カピバラのモリージョ/by-nc-nd/2.0/CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

ヒント3:オスには顔にある「特徴」があります。

さあ、なんでしょう~!?

カピバラのモリージョ


……正解は、鼻の上に毛の生えていない「臭腺」があるのがオス、でしたー!

実はこの「臭腺」、モリージョというなんだか素敵な名前がついています。
スペイン語で、「小さな丘」という意味だそうで、すっごくオシャレ!
繁殖期には、ここから匂いを出してメスにアピールするという、カピバラの見た目からは想像できないシャレオツなイケメンの印でした。

ちなみにこのカピバラさん、のんびり屋に見えて、実は時速50kmでダッシュします。
ざっと人間の2.5倍です。思ったより早っ!!!Σ(゚Д゚)




[参考文献等]






嘘だらけの世界一小さい哺乳類
世界で一番小さい哺乳類。そのひとつが、トウキョウトガリネズミです。
全長4cm、体重1.5gほどしかない、小さな小さな哺乳類です。

トウキョウトガリネズミ
By katuuya [GFDL], via wikipedia

でも、トウキョウトガリネズミは誤解がいっぱい。

まず、トウキョウトガリネズミは名前にネズミとついているものの、実はトガリネズミはネズミではなくモグラの仲間です。

それに、生息地は北海道です。東京ではありません。。

発見者である生物学者が標本ラベルに「Yezo(=蝦夷)」と書くべきところを、「Yedo(=江戸)」と間違えたのがことの発端だそうで、北海道に住むモグラくんは、トウキョウトガリネズミと命名されてしまったのです。

トウキョウトガリネズミ
By OpenCage Systems [CC BY 2.5], via OpenCage's Photo Library

一日のうち、自分の体重の8~9割近くも食事をする大食いさんです。
大変小さいため身体にあまりエネルギーを蓄えることができず、3時間ほど絶食しただけで餓死してしまいます。。ひー!

ちなみに、鳴き声は超音波です。
この超音波でエサの位置を探ったり、母親が子供を呼び集めたりします。




[参考文献等]