「名前」を横取りされたパンダ
レッサーパンダ

あどけない顔立ちとふさふさのしっぽが愛くるしいレッサーパンダ。
何年か前は、千葉市動物公園の「風太」くんの直立姿が一大ブームになりましたね。

レッドパンダ

おや、意外と小顔でスタイルがいいようです。(笑)

そんなレッサーパンダは、パンダと同じように種子骨という「第6の指」があったり、竹を食べるために歯の形がパンダと似ていたりします。
そのため同じパンダという名前が付けられ、近縁の動物と考えられていたのですが、単に同じような環境で暮らしているため似た進化を遂げただけで、遠い関係の動物だったりします。

そして実はこのレッサーパンダ、ジャイアントパンダよりも先に発見されており、最初は単に「パンダ」と呼ばれていたんです。
ところが後から発見されたジャイアントパンダがパンダと呼ばれるようになってしまったため、しかたなくレッサーパンダ(=「小さい」パンダ)となりました。
後から出てきたジャイアントパンダに名前を奪われちゃったんですね。可哀想に……(^-^;

ファイヤーフォックス
By Richard Gillin [CC BY-SA 2.0], via flickr

ちなみに、「レッサー」には「劣った」という意味もあるため、最近アメリカなどでは「レッドパンダ」や「ファイヤーフォックス」と呼んでいるそうです。
そう、あの有名なブラウザ「firefox」は、レッサーパンダのことだったのですね♪



[参考文献等]






パンダの鳴き声、不気味すぎる説
丸顔・たれ目が愛くるしいジャイアントパンダ。

ジャイアントパンダ
By Jay Collier [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

彼らはクマのなかまです。そのためパンダはもともとは肉食動物で、その歯や消化器官は肉食に適したものです。
他の草食動物と比べると腸が非常に短いので、食べた竹の8割は消化されずに排泄されてしまいます。だから毎日20kgもの竹を食べる必要があり、一日のほとんどを食事に費やし、残りの時間はだいたい寝ています。

一体なぜわざわざ消化しにくい竹を主食にしているのでしょうか?

ジャイアントパンダ
By Blossom Vydrina [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

それは、彼らのくらす場所には竹が豊富に生えており、冬でも枯れることがないため、また、他の動物が食べない竹を主食とすることで争いを避けるためだと考えられています。

ジャイアントパンダ
By Amy the Nurse [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

ちなみに、動物園でのパンダの食費はかなり高く、一日10,850円もします。
しかも、中国に支払うレンタル料相当が毎年8000万円以上、万一病死や事故死した場合は別途4000万円の支払いが必要です。その他、パンダの輸送費やパンダ舎の改装費などに1億円以上と、パンダの飼育にはかなりのお金がかけられているんです。
とはいえ、パンダの経済効果は100~200億円にもなると言われており、パンダがいる年といない年で、動物園の入場者数が大きく変わるそうです。さすがパンダですね!

ところで、そんなパンダの鳴き声、聞いたことはありますか?



不気味というか、なんというか、、、可愛い外見に似合わず、暗い響きでかなりホラーです。。。Σ(゚口゚;)
ワンワンとか、メーメーとか、気分で他の鳴き方もするようです。みなさんも機会があればぜひチェックしてみてください♪



[参考文献等]






パンダは白くも黒くもない
みなさん、パンダのしっぽが何色か知っていますか?

パンダ

見えますか? パンダのしっぽの色は、白です!

パンダのしっぽ
By gill_penney [CC BY 2.0], via flickr

しっぽは意外とふさふさなんですね。後ろ姿もとっても可愛いです(^-^)

日本に初めてパンダがやってきた時は、間違えて黒いしっぽのパンダのぬいぐるみが作られてしまったこともあったそうです。

ちなみに、あの”たれぱんだ”も黒いしっぽです。今度チェックしてみてください。



さて、それでは、パンダの地肌の色は何色でしょうか?
もちろん肌の色も、毛皮と同じ黒と白? それとも真っ白? もしくは真っ黒?

正解は・・・

パンダのしっぽ
By Jacob Wolman [CC BY-NC 2.0], via flickr

こちらの、生まれたばかりのパンダの赤ちゃんをごらんください。
黒でも白でもなく、肌色です!
パンダの肌は、肌色だったんですね。(^-^)

でも、もう少し大きくなった赤ちゃんをご覧ください。
あれっ? 肌が黒白に見えますね。
大人になると、肌はツートンカラーになってしまうのでしょうか??

パンダの赤ちゃん
By Colegota [CC BY-SA 2.5 ES], via Wikimedia Commons

実はこれ、黒い毛の毛根の色が透けて、肌が黒っぽく見えているだけだそうです。
人間のヒゲの濃い男性が、口元が黒っぽくなっているのと同じ感じでしょうか。

それではやっぱりパンダの肌色は肌色なのかというと、こちら、治療のために毛を剃られてしまった可哀想なパンダくん。

毛をそられたパンダ

毛の黒い後ろ足の部分も、肌が黒くないですね。
やっぱりパンダの地肌は、肌色でした!





[参考文献等]






パンダには指が7本もあった
大好物の竹を上手につかんで食べるジャイアントパンダ。
以前、パンダは偽の親指、第6の指を使って竹をつかむという記事を書きました。

普通のクマのなかまは5本の指がすべて横一直線にならんでおり、人間のように親指とその他の指を向かい合わせることができないため、ものを「つかむ」という動作ができません。

そんなクマのなかまでありながら、パンダは竹をつかむのに適した、5本の指に加えて人間の親指の位置に6本目の指が発達しました!

パンダ
By lacitadelle [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr

ところが最近の研究で、この6本目の指にあたる骨は、人間の親指のようには自由に動かすことができないことがわかりました。

では動かない6本目の指でどのように器用に竹をつかんでいるのかというと、パンダはなんと、「第7の指」まで隠し持っていたのです!
それがこちら!!

パンダの副手根骨
By Momotarou2012 [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

たしかに指らしき骨が7本もあります。
でも多すぎて、なにがなんだかよくわかりません!

それではパンダが笹をつかむ様子を見てみましょう。

パンダの第7の指
By Travis S. [CC BY-NC 2.0], via flickr

まず真ん中に通常の5本の指が並んでいます。
向かって左側のちょうど親指の位置にあるのが橈側種子骨(トウソクシュコツ)、つまり第6の指。
そして向かって右側の小指のさらに外側にあるのが、副手根骨(フクシュコンコツ)、つまり第7の指なんです。

この2つの骨で支えることで、パンダは大好きな竹をしっかりとつかむことができるのでした!


可愛いパンダ、指が7本もあったなんてびっくりしました!!

パンダ
By justjess17 [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr




[参考文献等]






パンダには6本目の指がある
ジャイアントパンダ

白と黒のツートンカラーとたれ目がかわいいジャイアントパンダ。
竹が大好きで、春は竹の子、夏は笹の葉、冬は竹の茎という竹尽くしです!

でも、パンダはクマの仲間。
身体の構造は肉食動物のままなので、草食動物ほど竹を効率よく消化できません。
だから、一日40kgもの竹を食べる必要があります!

ジャイアントパンダ
By Fernando Revilla [CC BY-SA 2.5], via Wikipedia

大好きな竹を前あしで上手につかんで食べています。

ところで、普通のクマは前あしの構造上、ものを「つかむ」という動作ができません。
どういうことでしょうか、ちょっと失礼。。。

クマ
By Beverly & Pack [CC-BY-2.0], via flickr

クマの前あしが見えますでしょうか。人間の足のように、5本の指が横に並んでいますね。
人間の手のように親指とその他の指が向かい合っていないので、ものを「つかむ」ことはできないのです。

では、パンダは一体どうやって竹をつかんでいるのでしょうか?
またまた、ちょっと失礼。。。

ジャイアントパンダ
Photo by (c)Tomo.Yun

顔の前の手のひらをよく見てください。人間の親指の位置に指がありますね。
なるほど、これでものをつかむことができます。

でも、もっともっとよく見てください。

・・・あれ? 指が6本ある!!!

ジャイアントパンダ
By A Giant Panda at the Adelaide Zoo [CC BY-NC-SA 3.0], via SmugMug, Inc.

実はパンダの前あしには、「偽の親指」、「第六の指」と呼ばれる特別な突起があります。
これは、竹をつかむために手首の骨の一部が長く伸びたものなのです。

竹のために骨を進化させてしまったなんて、パンダったら一体どれだけ竹が好きなんでしょう!




[参考文献等]