くちばしは電気センサー
その姿があまりにも変わっていたので、ビーバーにカモのくちばしを縫いつけた偽者に間違えられてしまったカモノハシの記事を先日書きましたが、カモノハシはまだまだ不思議がいっぱいです!


カモノハシは川や池の岸辺に住んでいて、子育てのために、3~5メートル、時には30メートル近くにもなる長い巣を作ります。

狩りは主に水中で行います。
陸ではたたんでいる大きな前あしの水かきを広げて水をかき、平べったい尾と後ろあしでかじとりをして、水中の昆虫や、貝、エビ、ミミズなどを探します。

カモノハシ
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ところでこのカモノハシ、実は水中では耳も目もつぶっているんです。
それでは、どうやってエサを探しているのでしょうか??

カモノハシ
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生き物の身体の中には、生体電流というごく微弱な電気が流れています。
私たち人間の身体の中にも流れています。

実は、カモノハシのゴムのようにやわらかいくちばしには、電気を感知するセンサーが4万個もあります。
カモノハシは水中でくちばしを左右に振りながらこの生体電流を感知することで、目や耳を閉じたまま川底の泥の中の小さな生き物を捕まえられるのです!


それからおまけに。

すでにもりだくさんのカモノハシですが、さらにもうひとつ大きな特徴があります。

実は、後ろあしに毒を仕込んだ爪を持っているのです!
これは、繁殖期にカモノハシのオス同士が戦うときのためのものだと考えられています。

カモノハシ
By Elonnon (Own work) [CC-BY-SA-3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons

毒の強さは人間を殺すまでには至りませんが、刺されたらとっっても痛いのだとか。。。(゚_゚;ノ)ノ




[参考文献等]






うさんくさすぎて、偽物と間違えられた生物
哺乳類とはその名のとおり、母乳で赤ちゃんを育てる動物たちのことです。
ほとんどの哺乳類は赤ちゃんを産みますが、例外的に単孔目というグループだけが卵を産みます。

単孔目は消化管、尿路、生殖孔がひとつの総排泄腔につながっている、つまり、フンとおしっこと卵が出てくる穴が一つになっている、原始的な哺乳類です。

その変わり種の単孔目に属して卵を産み、大きな水かきと平べったい尾を持つため泳ぎが上手く、陸上では爬虫類のようにのそのそと歩く、くちばしのある奇妙な生き物――、
それがこの、カモノハシです!

カモノハシ

哺乳類にしてはあまりにも変わり者すぎていて、その剥製を初めて見たイギリスの学者は、ビーバーにカモのくちばしを縫いつけて作られた偽者だと勘違いしたほどです。

でも、母乳で子供を育てる立派な哺乳類の仲間なんです!

カモノハシは直径1.3cmほどのやわらかい卵を2つ産みます。
生まれてきた赤ちゃんはわずか2.5cmほどで、毛は生えておらず、目も見えない未熟な状態です。

カモノハシには乳首がありませんが、お腹にある乳腺から染み出るおっぱいをなめて、赤ちゃんはすくすく成長します。

まだまだ気になるカモノハシの不思議は、また後日!




[参考文献等]