面白い動物ネタ、動物雑学・豆知識を楽しく紹介します
「
カモシカは短足で大根足」というちょっとびっくりな記事を先日書きましたが、まだまだそれだけでは終わりません。
実は、カモシカの汗は青いんです! そのため、マタギの間では、「アオ」と呼ばれているそうです。
By Ken Ishigaki [CC BY 2.0], via flickrもう一つ、「アオの寒立ち」という言葉があります。
寒い冬の日、彼らは崖に立ってあたりを見渡すように、何時間もじーっと突っ立っていることがあります。
なんだか山の神様のようで神秘的な気もしますね。
By Jdombrow [CC BY 3.0], via Wikipedia一説によると、彼らはウシのなかまなので、反芻(消化のために、一度飲み込んだものをもう一度かみ直すこと)をしているところだそうです。
ウシは横たわってゆっくり休みながら反芻をするのですが、崖や雪山に住む彼らは寝転がるスペースがないため、立ち尽くしているのではないかとか、、、
By Tomoaki Kato [CC BY-NC 2.0], via flickr汗の色といえば! よかったら、「
カバはピンクの汗をかく!?」の記事もお読みください☆
[参考文献等]
今回はウシのお話です!
最近ギネスに認定された、世界で一番大きいウシがコチラです!

信じられないくらい大きいですね!?
全長は約400cm。体高は約190センチで、普通のウシより50cmは高いそうですよ! ちなみに女の子だそうです♪
磁石の話からいきなり脱線してしまいましたが、家畜のウシの胃にはなぜか磁石が入っています。
こんな磁石です。その名も、そのまま、「カウマグネット」!

実は、ウシは牧場に落ちている鉄くずを草と一緒に食べてしまい、鉄くずが胃を傷つけて炎症を起こしてしまったり、胃に穴を開けて心臓を傷つけたりしてしまうおそれがあるんです。それを防ぐため、「カウマグネット」と呼ばれる10cm弱の強力な磁石をあらかじめウシに飲み込ませておきます。そうすることで、誤飲された鉄くずが磁石に吸着され、ウシの胃を傷つけることを防ぐのです。
磁石を飲ませるのも、吐き出させるのも、さらに強力な磁石を使って行います。
Zbog mogućih bolesti: Veterinari preventivno kontroliraju goveda via bljesak.info力ずくですね、苦しくないのかしら。。。でも、胃を守るため、がんばって!! (T_T)
By Dave Wild [CC BY-NC 2.0], via flickrなぜウシが鉄くずを食べてしまうのかというと、実はウシは「光り物」が大好きで、キラキラしたものを自ら好んで食べてしまう性質があります。もともとは草だけでは不足する鉄分を補うため、鉄を含むキラキラ光る石を食べていたのですが、それと鉄くずを間違えてしまうんですね。
ちなみに、ウシは4つの胃を持っていますが、マグネットが入っているのは第2の胃、いわゆる「ハチノス」ですね!
[参考文献等]
日本でも馴染みの深い、ウシとウマ。
同じくらいの大きさの、似た形の動物ですが、「馬面」という言葉があるように、馬の顔はとても細くて面長です。
By Kabsik Park [CC BY 2.0], via flickr
By Kabsik Park [CC BY 2.0], via flickrウシもどちらかといえば面長ですが、やはりウマの方がずっと細長いですね。
この顔の形の差には、実はおどろきの事実が隠されていたんです!
みなさん、「ウシには前歯がない」って、ご存知ですか?
正確には、上の前歯がありません。ちょっと失礼して見せてもらいましょう。
By Maky [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons本当だ! 上の前歯がない!!
実はウシだけでなく、ウシのなかま、たとえばシカやヤギは、上の前歯が退化してなくなってしまいました。
「反芻」といって、一度食べて飲み込んだものを口に戻して何度も噛む動物は、上の前歯がないのです。
そのかわり、下の前歯と硬く発達した上の歯茎(歯板)で草をかみちぎります。
ちょうど、包丁とまな板のような関係ですね。
ところがウマは、長い上下の前歯があります。
ちょうど爪切りのように、上下の鋭い歯をぴったり噛み合わせて草をかみちぎります。
ウマはこの長い上下の前歯を口に収める分、ウシよりも顔が長くなっているんですね。
ちなみに「キリン」も反芻動物なので、上の前歯はありません。
まさか前歯がない動物がいるなんて、、、知らないことってたくさんあるんですね!
[参考文献等]
スラリと長くて美しい足のことを、「カモシカのような足」と言いますよね。
でも、カモシカと言われても、どんな色でどんな形の動物だったかあまりピンとこない方も多いのでは?
今回はそんなカモシカの美脚を拝見!
私たちと同じ日本に生息にする、ニホンカモシカをご覧ください。
By eesti [CC BY-NC-ND 2.0], via flickr・・・あれっ!? カモシカって、こんなのでしたっけ?
前あしは細いような気もするけれど、後ろあしは結構しっかりしているし、それより、なにより、なんというか。。。全体的にちんちくりん!?!?
実は「カモシカ」を漢字で書くと「羚羊」。
「レイヨウ」という別の動物たちを漢字で書いても「羚羊」。
ありえないことに、ここで取り違えが起きてしまったのです。
「羚羊のような足」は「カモシカのような足」ではなくて、本当は「レイヨウのような足」だったのです!
では一体「レイヨウ」は何者かというと、ウシのなかま約130種のうち、約90種を含む、アンテロープとも呼ばれるグループのことです。
7割近くも含むくせに、カモシカはレイヨウではありません。
同じ漢字まで使っておいて、ややこしいですね。。
そんなわけで、今度こそ「レイヨウ」たちのおみ足を拝見ー!
たしかにみんな、カモシカよりスラリと細長くて美脚です。
By Ikiwaner [GFDL], via Wikimedia Commonsまずは、ツノが特徴的インパラ。
発情期にしゃがれた大声で鳴くのでうるさいらしいです。
By Pcb21 [CC BY-SA 3.0], via Wikipedia次は「げ・ぬー」と鳴くヌー。
「げ・ぬー」と鳴くので、そのまんま、ヌーです(Gnu)。
数十万頭にもなる巨大な群れで、草原を求めてサバンナを大移動します。
By Thomas Schoch [CC BY-SA 3.0], via Wikipediaラストは、長いツノと身体の模様が特徴的なオリックス。
暑く乾燥した地域で生きていくため、体温が45℃を超えても涼しい顔です!
なんだか話が発散して収集がつかなくなってきましたが、カモシカについて、最後にとんでもない話をもう1つ。
さっきはさらりと流しましたが、実はカモシカ、カモでもシカでもなく、、、
ウシのなかまなんです!!!
By Jdombrow [CC BY 3.0], via Wikipedia・・・。
ウシにもシカにも見えないよっ!! ヽ(#`Д´)ノ
[参考文献等]
動物愛護の観点からか、近年本場のスペインでも衰退しつつある闘牛。
興奮作用のある赤色をしたマントをヒラヒラさせて、闘牛士がウシを挑発してあおります。
でも実は、ウシは赤い色を識別できません。
多くの哺乳類は、人間よりも少ない数の色しか見えていないのです。
By Lepetitlord [CC BY-SA 3.0], via wikimedia commonsというのも、はるか昔、哺乳類が誕生した時代の大地は、今は絶滅してしまった大型の爬虫類や鳥類が繁栄していました。
哺乳類は彼らを避けるように夜行性になり、進化の過程で色覚を退化させてしまったのです。
明るい太陽の下で進化した爬虫類や鳥類は、人間の見えている赤、青、緑の3つに加えて4つ目の「紫外線」が見えているらしいのですが、ウシを含む多くの哺乳類は、そのうちの2つしか見えていません。
話を元に戻して。。。
それでは闘牛士はなぜ、わざわざウシには見えない赤色のマントを使うのでしょうか。
それは、闘牛を見に来た観客――つまり私たち人間の興奮をあおっていたのでした!
赤色に興奮していたのは、ウシではなくて人間の方だったんですね。(^-^;)
[参考文献等]